suramatupagiii’s blog

機材の愛を語ります。

偉大なるスタンダード         Nikon FE を今さらレビューする。

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「あなたの最初のカメラは?」

 

十人十色な返答が期待できる、王道の質問の一つである。

この質問で知らないカメラの名前が出てくると対応に困ること、あるよね。

 

では、「最初のフィルムカメラは?」と聞かれたなら、あなたは何を答えるであろうか。

 

私のアンサーは「Nikon FE」である。

王道中の王道。話がこじれることも、論争が始まることも少ない、極めて良い返答だ。

 

フィルムカメラでは何台か書きたいものはあったが、最初に使ったカメラを最初に語るのが筋かなと思い、この一台をチョイスした。

 

さて、このカメラ。全体的にまとまっている、いや、まとまりすぎているが故に我々の話題に上がることが少ないように感じる。

 

そんなかわいそうなカメラに、せめて今日だけは、スポットライトを当ててあげようと思う。

 

基本性能

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35-70と共に

シャッター速度はバルブ、1秒~1/1000秒 横走りフォーカルプレーンシャッター

電池がなくてもM1/90なら撮影可能。

うん。まとまっている。普段の撮影なら、1/1000あれば十分かな。

 

露出計もついてる。絞り優先が使えます。精度は正直いまいちだけど、露出計はついていることが大事だよね。

 

ファインダーの視野率は93%、倍率0.86。視野率100%では無いのは一桁との差別化かしら。

でも、やっぱり見やすい。APS-Cから移行した俺はかなり感動しましたね。

 

ファインダー内にはシャッタースピードを表示するアナログ追針式の窓が付いてます。

電子式のFEはアナログ式の窓なのに、機械式のFMは電気表示なのちょっと面白いよね。

ここら辺は迷走してたのかなあ。アナログ窓は、暗い場面で見にくいのが少し気になるけど、まあそこまで気にすることでは無い。

 

電池はSR44もしくはLR44を2個。そこまで消費が激しいわけではないので、入手性とか価格とかはあんまり気にせんでも大丈夫。

 

結論・・・全体的にまとまってます。普段使用に文句なし。

 

シャッタースピード、絞り、ISOの関係を大雑把に理解してさえすれば、すぐに使いこなせるようなカメラです。

尖ったものを求める 異常者 カメクラには少しつまらないカメラかもしれないけど、導入としてこういうカメラがあるのは大事だよね。

 

見た目カッコいい、絞り優先使える、軽い。 初心者にも、サブ機にも、文句のないカメラです。

 

実例&使用所感

作例と実際に使っていて思うところを書くよ!

 

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Ai-s 50/1.4

上にも書いたけど、とにかく不満な点は無い。

F2と同時期に発売されていたが、一回りコンパクトなうえに、露出計を内蔵したこの機種が一定の支持を得ていたことは想像に難くありません。

 

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Ai-s 50/1.4

しかしながら、現在の中古市場では「電子式」であるというその一点において、FMの後塵を拝んでいると聞きます。(最近はそこまで差がないように感じますが…)

本体だけなら一万円アラウンドでゲットできるので、コスパ良ですね。

 

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Ai-s 50/1.4

一つ気を付けていただきたいのは、発売から一定の時間が経っているため状態が芳しくない個体が多いことです。

私の場合、露出計が少し弱っており、写真のようにアンダー気味になってしまいます。

購入時は、動作を念入りにチェックすることをお勧めします。

 

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Ai-s 50/1.4

まあ、露出計不調でもマニュアル露出や増、減感してやれば無問題です。

 

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Auto 35/2.8

凡庸、スタンダードといじられてきたFEですが、ひとつ嬉しい機能が!

それは「非Ai」も使用できるということ!

 

絞り連動爪を上げてやれば、非AIも使用可能!

これはかなり嬉しい。

 

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Ai-s 50/1.4

何を隠そう、同時期に発売されていたFMと約40%が同じ部品を使っているFE。

FM用のフォーカシングマットも問題なく使えました!

(一応ですが、自己責任でお願いします)

これはFM用、フォーカシングマットを使用して撮りましたね。

 

唯一の欠点(かもしれない)

さて、このカメラについて少しでも興味を抱いていただければ幸いなのですが、一つ致命的な欠点(かもしれない)を言い忘れてました。

 

それが、ニコ爺問題。

 

世の中の三大悪(戦争・転売ヤー、そしてニコ爺)の一つです。

時代に取り残され、身の回りに知っているものがNikonしかなくなった老害ども、その毒牙は他メーカーは勿論、身内にまで向くことが多々あります。

 

そして、不幸なことにそいつらがターゲットにするのは多くの場合、「初、中級機をもった如何にも初心者らしい善良な市民」なのです。

 

やつらは「一桁信仰(F一桁を異常に崇め、その他を貶す)」という異常思考を持っていることが多々あります。

 

理解できませんよね。理解しなくていいです。

 

そいつらはFEまでもターゲットにし、「そんなのカメラじゃないよw」とか、「もっといいのあるよ」等とほざいてくるかもしれません。

 

いいですか。絶対に相手にしないでください。時間の無駄です。

本当にカメラが好きな人は、そんなこといきなり言ってきません。

 

すぐにその場から立ち去りましょう。

 

どうしてもうざかったら、ツイッターで愚痴りましょう。

共感してくれる同志たちが集まり、30いいねくらい来るはずです。

 

 

 

さて、いろいろ書いてしまいましたが、最後の方はあんまり気にしないでください。

結局奴らはどんなカメラでも絡んできますので。

 

それくらいしか、FEは文句のつけようの無いカメラだということが伝われば幸いです。

尖らない、故に使いやすい。こういうカメラこそ、評価されると良いなぁと思っています。